実家の片づけは何から始める?親と無理なく進める5つの手順

帰省したとき、廊下に置かれた箱や、使っていない家具が気になることがある。そろそろ片づけたほうがいいと思っても、何から手をつけるか迷ってしまう。
そこでいきなり、ごみ袋を広げると話がこじれることもある。子どもには使っていない物に見えても、親には思い出や、まだ使うつもりがあるかもしれない。
最初にしたいのは、家の中で困っていることを一つ聞くこと。玄関を通りやすくしたいのか、台所の物を取りやすくしたいのか。目指す暮らしが見えると、片づける場所も決めやすくなる。
捨てる前に、親と話す
親が暮らしている家なら、片づけの主役はそこに住む人だ。帰省した側の都合で棚の中を空にしたり、本人に聞かずに物を捨てたりすると、次から手伝いを断られるかもしれない。
片づけたい理由は、できるだけ具体的に伝えたい。物が多いと責めるより、玄関の荷物を動かせば靴を履きやすくなりそうだと話す。親自身が不便に感じている場所があれば、そこから相談する。
今度帰ったとき、玄関だけ一緒に片づけてみない?
毎日使う物は残して、通りやすくできたらと思って。
話が進まない日は、無理に作業まで持っていかなくてもいい。どの物を大切にしているのかを聞くだけでも、次に手伝うときの判断材料になる。
きょうだいにも関係する物があるなら、始める前に連絡しておく。誰が作業するかだけでなく、誰に確認してから手放すかを決めておくと、あとで探し物になりにくい。
最初の場所は、小さく決める
実家を丸ごと片づけようとすると、必要な時間も、物の量も見えにくい。最初は玄関の一角、引き出し一つ、食器棚の一段くらいに範囲を区切ってみる。
時間も先に決めておく。たとえば30分を目安に始め、疲れる前に終わる。その日のうちに物を戻せる量だけ出せば、片づけ途中の荷物が生活の邪魔になりにくい。
家族写真や手紙は、見始めると時間がかかる。まずは持ち主が不要だと確認できた空き箱や、使い切った物など、判断しやすいところから手をつけたい。
作業前後の写真を本人の了承を得て残しておくと、変化を確かめやすい。どれだけ捨てたかより、いつもの動作が少し楽になったかを一緒に見てみよう。
四つに分けて、迷う物は保留にする
残すか捨てるかの二択にすると、迷うたびに手が止まる。箱や袋に名前をつけて、次の四つに分けてみると進めやすい。
残す
今使っている物と、本人が大切にしたい物。使いやすい場所へ戻す。
手放す
持ち主が不要だと決めた物。売る、譲る、処分する方法を調べる。
確認する
重要そうな書類、持ち主が分からない物、ほかの家族に関わる物。
保留する
すぐには決められない物。見直す時期を決め、一つの場所へまとめる。
通帳、印鑑、契約書、保険や不動産に関する書類などは、古いという理由だけで捨てない。内容と必要性を確認するまで、ほかの紙ごみから分けて保管する。
保留の箱には、入れた日や次に見る予定を書いておく。次の帰省で見直す、家族に聞いてから決めるなど、もう一度手に取るきっかけがあればいい。
思い出の品を写真に残す方法もある。ただ、写真があれば手放せるかどうかは本人が決めること。小さな箱に収まる分だけ残すなど、気持ちに合う置き方を探したい。
出し方を調べてから、家の外へ
手放す物が決まったら、実家のある市区町村の案内を確認する。分別や粗大ごみの申し込み方、持ち込みの可否は地域によって異なる。自分の住んでいる地域と同じと思わず、出す場所のルールを調べたい。
| 日常のごみ | 自治体の分別区分、指定袋、収集日を確認する。一度に多く出す場合の扱いも調べる。 |
|---|---|
| 大きな家具 | 粗大ごみの対象になるか、申し込みや手数料、指定場所までの搬出が必要かを確認する。 |
| 家電4品目 | エアコン、テレビ、冷蔵庫・冷凍庫、洗濯機・衣類乾燥機は、家電リサイクルの案内に沿って引き渡す。[2] |
| まだ使える物 | 買い取りや譲渡ができるか確かめる。受け入れ条件や、引き取りまでの日程も確認する。 |
家電4品目を処分するときは、買い替える店や購入した店に相談する。購入店が分からない場合などは、自治体が案内する方法を確認しよう。リサイクル料金と収集運搬料金も、依頼前に確かめておきたい。[2]
民間の事業者へ家庭ごみの回収を頼む場合は、回収を担当する事業者が、その市区町村の一般廃棄物処理業の許可や委託を受けているかを確認する。古物商や産業廃棄物の許可だけで、家庭ごみを回収できるわけではない。[1]
分けた袋を何週間も廊下に置くことにならないよう、収集日や回収の予定と作業日を合わせる。重い家具を階段から運び出すなど、自分たちでは難しい作業は無理をしない。
難しい部分は、人の手を借りる
仕分けはできても大きな家具を運べない。実家が遠く、何度も通う時間を取れない。片づけを進めるうちに、自分たちだけでは難しい部分が見えてくることがある。
そのときは、頼みたい作業を具体的にして相談する。家具の搬出だけなのか、仕分けから手伝ってほしいのか、部屋全体を整理したいのか。範囲がはっきりすると、見積もりも比べやすい。
親が使っている物の整理と、亡くなった人の遺品整理では、確認する相手も作業の事情も違う。問い合わせでは家の状況を伝え、対応できる作業を確かめよう。
国民生活センターは、遺品整理サービスについて、複数の事業者から見積もりを取り、作業内容や料金を比較するよう案内している。合計金額に加え、何が含まれ、どんなときに追加料金がかかるかまで確認したい。[3]
残す物は一か所に集めたり、目印をつけたりして、作業前に担当者と確認する。ほかの会社が回収を担当する場合は、その会社名も聞いておく。話を聞いてから決めたいときは、その場で契約せず、家族と見積書を見直す時間を取ろう。
進める途中で、迷いやすいこと
親が片づけを嫌がるときは?
何を捨てるか決める前に、今の暮らしで不便なことがないかを聞いてみる。物の場所を変えるだけで使いやすくなることもある。本人の了承がないまま、持ち物を処分しないことを家族で共有しておきたい。
業者に頼むと、いくらかかる?
物の量、仕分けを頼む範囲、搬出経路、処分する品目などで変わる。間取りや広告の最低価格だけでは総額を決められないため、現地の状況を伝え、同じ作業条件で見積もりを比べたい。
遠方に住んでいて、何度も帰れない
帰省する前に、本人に写真を送ってもらうなどして作業場所を相談しておく。当日は家族にしか判断できない物の確認を優先し、家具の搬出などを依頼するか検討する。回収日までに誰が何をするかも決めておくと動きやすい。
次の帰省で、一か所だけ。
実家の片づけは、家族の暮らしに触れる作業でもある。外から見ると不要に思える物にも、持ち主なりの理由がある。
次に帰ったときは、玄関の箱を一つ動かすところからでもいい。何を残したいかを聞き、出し方を調べ、できる分だけ一緒に進める。空いた場所に、いつも使う靴を置けたら、その日の片づけはそこで終わりにしよう。
